広がるチューリッヒの可能性
長期的、あるいは生涯シングル化の傾向が強まるなら、家族手当などが必要かどうかもぅ一回考える必要がある。
企業は戦後一貫して、家族を単位とした福利厚生をめざしてきたが、たとえば社員の3割が生涯シングルという事になってくると、むしろ独身寮の充実がより重要になってくる。
そもそも原点に返って、会社で出すアウトプットに対して、その見返りが給与というふうに考えると独身か子供2人かによって給料が変わるのはおかしなことになる。
もっといえば通勤もそうで新幹線定期を支給している企業が相当数あるがその人は好きで遠くに住んだわけである。
相対的に安い住宅を買ったので住宅ローンも少ない。
その人に向かって会社は月10万円の交通費を払っている。
高いマンションを買って都心に住んでいる人は月一万円の交通費である。
それで、住宅ローンの重みにふうふういっているのだ。
会社人間から個の重視このあたりのアンバランスを考えていくと結局のところ個を重視する方向しかないことになる。
戦前私たちは自分と国家を一体化することによって、安住感を得た。
国家絶対主義の下で、国家の政策と自分の人生をイコールと考えたから戦争や特攻隊など悲惨な事例が起きた。
戦後民主化が進んで人々は今度は会社にそれを求めた。
会社の成長は自分の幸せであるととらえ会社人間が登場した。
会社や会社の人と一緒にいるときが一番安住できた。
今日民間企業には会社人間は急減してきたけれど、地方自治体の人が、「自治体は外の人と付き合う必要がないから、依然として自分たちで固まっている」という。
ある市では、「職場内で結婚して十年もすると職場内での不倫がいっぱい出てくる。
すべてその組織のなかで自己完結型だ。
しかも民間と違って不倫を抑制しょうと管理層が動かないから自由奔放な世界になってしまっている」という副作用もあるそうだ。
職場を共同体とする生き方があって、その一方にマイホーム主義がある。
自分と家族を一体化することによって、自分の安住存在価値を考える。
いまはどうかというと、まず家庭内は、個々バラバラでホテル化している。
共有スペースにいるときは少なくて各自が自分の個室で過ごす時間が延びている。
親のいうことを聞く子供が減っている。
子は子で自由に生きようとしている。
会社はどうか。
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